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デジタル庁の note ができた。

デジタル庁は「行政の透明化」を掲げ、noteでの発信を始めます。

ここまで読んでくださったなんて、さぞかし心優しい方々なのだろうと踏みまして、ついでといってはなんですがお願いがございます。

皆さまからも「こんなこと発信してほしい」「こういう記事期待」といった意見を募集させてください!

ということなので、個人的な要望を書きます。

発信してほしいこと: デジタル庁の今年度の優先順位を公開してほしい

デジタル庁には「デジタル社会形成における10原則」というのがあって、本家の www.digital.go.jp にも掲げられている。

ただ、この原則は、正直あまりよく書けていない。まず10原則にそれぞれ2から4程度の小項目があって多すぎるし、粒度もバラバラ。「国民への説明責任を果たす」「多様な価値観やライフスタイルへの対応」あたりは、デジタル庁というよりはもっと上のレベルで取り組む課題だし、「国民に『お得』なデジタル化でデジタル利用率向上」と「国民が圧倒的便利さを実感するデジタル化の実現」は、重複が大きい。「自由や信頼を大切にするデータ・デジタル政策で世界をリード」は、採用のためには必要なのかもしれないけれど、国民の優先順位とはズレがあるし、残念だけどあまり現実味がない。

デジタル庁に類する行政機関は世界にも色々あって、彼らにも原則めいたものを掲げている。例えば、アメリカの United States Digital Service (USDS) には4つの目標と6つの価値、イギリスの Government Digital Service (GDS) の4つの責任と6つの優先順位、オーストラリアの Digital Transformation Agency (DTA) には4つの役割・フォーカスと、4つの優先順位がある。USDS は目標と価値を足したら10になるものの、実際に内容まで比較してみると、やっぱり日本のデジタル庁の10原則はちょっと多すぎるんじゃないかと思う。

すでに決まった10原則を減らすのは難しいだろうけど、今年度とか時間的な期間を区切った範囲であれば「これとこれをやりましょう。これはやりません。」という優先順位づけは、どのみちしないといけない。その結果を公開するのは、デジタル庁の全体像が国民に伝わる助けになると思う。

note を使うことについて

私はサービス側のタイムラインは無視して全てを RSS リーダーで読みたい派なので、note はあまり好きではない。一方で、RSS リーダーを使っている人なんて少数派だし、コロナ専門家有志の会東京感染症対策センターも note を使っているのをみると、私にはわからない魅力が note にはあるんだろうと思う。

ただ、note は IP アドレス漏洩問題 あたりを機に、ウェブ魚拓 Internet Archive によるサイトのクロールを robots.txt で一律禁止している。

これは、行政機関のウェブサイトとしては好ましくないし、デジタル社会形成における10原則で掲げられている「オープン・透明」とも相反している。

note.digital.go.jp にある robots.txt をみると、最後に

Sitemap: https://note.digital.go.jp/sitemap.xml.gz

という一行があって、ある程度は動的に出しわけされているのがわかる。であれば note は、最低限でもデジタル庁だけ、可能であれば自治体や公的な機関の全般について、クローラの恣意的な排除はやめるべきだと思う。

2021-05-13 追記

fuba さんも書かれているけど

この発言はデマなので削除しました、 Internet Archive にはちゃんと収集されてた様子です

Internet Archive は robots.txt を無視する (2017) ので、デジタル庁の note が Internet Archive に無いというのは誤解でした。実際に冒頭にリンクしたページも既に保存されている