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松尾 豊『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』を読んだ。人工知能分野のこれまでの経緯と、深層学習 (ディープラーニング) が過去の機械学習とどう違うのか、というところがわかりやすく説明されていて良い本だった。

一方で、最後の章にある

現在、ディープラーニングに代表される特徴表現学習の研究は、まだアルゴリズムの開発競争の段階である。ところが、この段階を越えると、今度はデータを大量に持っているところほど有利な世界になるはずだ。

という書き出しで、アルゴリズムの開発競争でのアドバンテージを持つ必要性を訴える部分は、あまり同意できなかった。そこでアドバンテージを持てたら素晴らしいけれど、一方でアルゴリズムはデータに比べるとオープンになりがちで、優位を維持しつづけるのは難しいんじゃないかと思う。

人工知能というか機械学習というか、ここ数年にわたって毎年勉強しようと思っては挫折していたけど、今年は Udacity のコースで少し scikit-learn に入門できて良かった。

一方で、機械学習の専門家やチームがいるような環境で「ちょっと機械学習を勉強しました」くらいの人がなにか貢献できるものがあるのか、というとよくわからない。

  • どんどん勉強して、最終的には専門家となる
  • 機械学習だけでは専門家には敵わないけれど、ソフトウェアエンジニアリングとの二刀流で価値を提供する
  • 専門家の手の回らないところで、素人でも成果をあげられるような簡単な問題を解く
  • 自身で成果はあげないけれど、専門家と協業するための基礎知識を学んでいる

どのあたりが、自分に実現可能なラインなんだろうか。