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Jon Ronson “The Elephant in the Room” を読んだ。著者はイギリスのジャーナリストで、日本でも『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』(“So You’ve Been Publicly Shamed”), 『サイコパスを探せ!』(“The Psychopath Test”), 『実録・アメリカ超能力部隊』(“The Men Who Stare at Goats”) などいくつか訳書が出ている。

訳書がでていない作品のひとつに、アメリカの陰謀論者などを追った “Them: Adventures with Extremists” という本と “The Secret Rulers of the World” というドキュメンタリーがある。この取材で著者は、陰謀論者の Alex Jones と知り合い、Bohemian Grove というキャンプ地で行われる政財界の大物の会合に潜入している。

この潜入取材もあり Alex Jones はいまは陰謀論業界の大物で、Donad Trump の有力サポーターのひとり。そこで著者は当時のコネを利用して Donald Trump 周辺に取材を試みる、というのが本書の導入部分。

大スクープというのは無いし、大統領選全体を概観するようなものでもないけれど、陰謀論者 Alex Jones と彼のウェブサイト Infowars, 共和党系政治コンサルタント Roger Stone の活躍、保守派コメンテーター Glenn Beck の語る Donald Trump からの勧誘とアメリカの分断に加担した苦悩など、楽しくはないけど興味深い本だった。