8月に注文していた Framework Laptop が、9月になってやっと届いた。 Framework Laptop はアメリカの Framework Computer が開発しているラップトップで、修理しやすい構造と、部品単位のアップグレードが可能なことを特長としている。

2021年に最初のモデルが出たときから気になってはいたのだけど、当時はそこまで新しいラップトップを必要としていなかったこと、会社そのものへの存続への不安から、二の足をふんでいた。
それから一年がたち、会社はちゃんと存続して、タブレットやその他のフォームファクターにも浮気せず、無事に Intel の第12世代プロセッサに対応した二代目 Framework Laptop が発売された。当初の約束通りに、第一世代をアップグレードするための部品も売っている。
ここで買わずに会社がつぶれてしまったら、それもまた後悔しそうなので、応援の気持ちもこめて買ってみた。
ハードウェア
ラップトップとしては、いわゆるウルトラブックとして標準的なかたちで、可もなく不可もない。ホームページでもうたわれているように「薄くて今風の見た目でありながら、修理もできます」という線をまもれていると思う。
The conventional wisdom in the industry is that making products repairable makes them thicker, heavier, uglier, less robust, and more expensive. We’re here to prove that wrong and fix consumer electronics, one category at a time.
とはいえ、私がいままで使っていた MacBook Pro に比べると、ちょっと剛性は落ちる感じがするし、ディスプレイの解像度も 2256 x 1504 と、100% で使うとピクセルが小さすぎ、200% で使うとやや狭い、という微妙なところになっている。

面白いのは、外部端子を自由に選べるところで、私は USB-C x 2, USB-A x 2, MicroSD x 1 にした。ラップトップ本体には USB-C が4つ付いていて、上の写真にあるような小さい部品をそこに差し込める。
また、製品の性格上 Linux ユーザーが多いみたいで、公式に Linux についてのページがあるのも頼もしい。私は Fedora 36 を使っている。
こわれたと思ったらフタを開けてみよう
買った理由の一つには、私に子供がいることもあると思う。家で、こわれたおもちゃを「直す」のは私の担当だ。9割はただ電池を入れ替えるだけだけど、残り1割は、はんだ付けをしてみたり、電源端子を圧着したり、他の家からもらった別のところが壊れているおもちゃから部品をとって、いわゆるニコイチにしてみたりして、本当に直している。「こわれたと思ったらフタを開けて、できそうだったら直してみよう」というのは、私が子供に伝えたいことのひとつなのだと思う。

そう考えると、私がずっと使っている Apple のラップトップは、どんどん直せない方向に進んでいて悲しい。大学のころに使っていた iBook G4 は、コインだけでバッテリーを外して交換できた。いま使っている MacBook Pro のバッテリーは接着されているし、それ以降のモデルでは SSD も交換できない。
M1 以降は、例えばメモリを交換できないかわりに、省電力高性能にできている面はあるだろうから、Apple が悪いというよりはトレードオフなんだろう。世の大半の人々はラップトップを開けたりはしないのもわかっている。でも私は、とりわけ子供の前では、フタを開ける側の人々でいたいと思う。