公立小学校教員の残業代訴訟というのがあり、藤井孝良さんが原告のひとの記者会見の言葉を紹介していた。
「パソコンを打ちながらだと人の気持ちは伝わらないから、記者の皆さんも手を止めて聞いてください。後で紙を見せるので写メしてください」と、判決後に文科省で行われた記者会見で、田中まさおさんが記者たちに一言。それに続いて語った言葉が、記事には載せなかったけれど、胸に刺さりました。
現場の先生たちは、働かされています。児童生徒が行ったテストの丸つけは、仕事に当たりませんか。授業の準備は、仕事に当たりませんか。欠席児童への連絡はどうですか。朝の登校指導は仕事ではありませんか。これらは、毎日のように行われている教師の仕事です。
一方で、シアトルでは、Seattle Public Schools (SPS - 雇う側) と Seattle Education Association (SEA - 先生など雇われる側) が労働条件について交渉しているのだけど、SPS のほうは “Competitive Pay” といっている。
We know that competitive pay and high standards of excellence provide teachers with the resources and support they need to create positive learning environments and are offering a substantial package.
給料の話をするのはえらいなと感心していたけれど、結局条件は折り合わず、9月にはじまるはずの学校がまだはじまっていない。SEA のほうは What’s at stake – SEA 2022 Bargaining という PDF で、SPS と SEA の提案の違い (つまり「SEA の方が良い」という主張) をまとめている。
そもそも日本の公務員には団体行動権 (ストライキとかする権利) がないので、これは個々人に帰する問題ではないのだけど、こういうのを背景に育つと、物事の見方も変わるよなと思う。