Illustration 2.0 とかいう

September 21st, 2006

リスト作成グループ - MultiSynapse - テキストと動画の狭間で

はてなブックマークのトップページに「注目の動画」欄が麗々しく登場して、日記の編集ページにいつの間にか「ビデオキ」ボタンが付き、何となくみたOK GoのPVにそそのかされてアルバムまで買ってしまっている自分を省みるに、テキストと動画の狭間でイラストの地位下落が著しいなぁと寂寥感がぬぐえません。

テキストにも動画にもパーマリンクを付与する環境ができたのにイラストだけは旧態依然。イラストなんてしょせんナローバンド時代のあだ花だったんでしょうか。ごく一部の描き手だけが商業誌に進出していく以外は、このまま描き手=閲覧者の小さな輪の中におびただしい量の才能を埋もれさせていくのでしょうか。

YouTube の、というよりは YouTube をマクラにポジショントークをする一部の IT 屋さんの言い分は「クリエイターなら、自分の作品が多くの人に見られることが幸せですよね?」で、いやいやそれだけでもないんですよ、という一例をリスト作成グループ - MultiSynapse - 理想の絵描き向けブログで読んだつもりでいたので、ここで「イラストの地位下落」とくるのは、ちょっと疑問。

YouTube や Google Video で「動画を見る機会」は向上しているとは思うけど、それが地位向上かといわれると微妙だと思う。この類いの動画サービスは「理想の絵描き向けブログ」にはほど遠い。制作者のこだわりを半ば強制的に捨てさせられたコンテンツは、消費者にとって広まりやすい、というだけなんじゃないだろうか。

これと同じ方法で「イラストを見る機会」の向上を図るなら、加野瀬さんのいうような「画像引用の合意を作ろうよって話」に落ち着くだろうと思う。現状、イラストは動画より扱いづらいし、それはシステムじゃなくて人の問題だ。

ちなみに、YouTube 的な「勝手にうpってCGM気取りかよ。おめでてーな。」なら、danbooru という(会社・学校で見ない方が安全な感じの)すごいサイトがあることにはあるけど、さすがにこれは描き手には喜ばれなさそうな感がかなり。